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2026.6月更新

収益改善・技術革新・グローバル展開の三戦略を見直し、
持続的な収益体質の確立に引き続き注力してまいります。
2026年3月期は、前期に達成した黒字化の基盤をより盤石なものへと進化させることを大きなテーマにスタートいたしました。しかしながら、米国の通商政策をはじめとする外部環境の急変、自動車産業における投資抑制・在庫調整の長期化、そして原材料価格・エネルギーコストの上昇が重なり、当社グループを取り巻く環境は想定を大きく上回る厳しさとなりました。この結果、連結売上高は109億9,200万円(前期比5.3%減)となりました。損益面では、営業損失4億800万円(前期は営業利益1億5,300万円)、経常損失4億4,600万円(前期は経常利益1億8,500万円)となりました。また、精密部品事業の収益性見直しに伴う固定資産の減損処理などにより、親会社株主に帰属する当期純損失は7億5,400万円となりました。今回の結果を真摯に受け止め、事業構造の変革が急務であることを改めて強く認識いたしました。環境変化に対してより強い収益力と耐久力を備えた事業体質へと、構造転換をさらに加速してまいります。一方で、生産効率化や固定費抑制による収益構造の改善は着実に進んでおり、需要回復の局面においては利益が出やすい体質へと移行しつつあると認識しています。この一年の経験を次の成長への転換点と位置づけ、構造改革をさらに加速してまいります。
当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、中東情勢の悪化による部品・素材コストの上昇などにより生産体制の見直しや在庫調整の動きが継続することが予想されます。加えて、エネルギー価格をはじめとする各種コストや資材価格の上昇、レアメタル等の重要鉱物の調達難も想定されており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、自動車産業の電動化シフトは一時的に市場成長が鈍化しているものの、次世代自動車向け技術開発は加速しており、サプライチェーン再編の動きも継続すると見込んでおります。このような環境下において、2027年3月期は連結売上高112億円(前期比1.9%増)、営業利益1千万円(前期は4億800万円の営業損失)と、営業段階での黒字転換を見込んでおります。一方、持分法適用会社となる予定である「Nichidai SanseraPrivate Limited」の初年度立ち上げに伴う初期投資の計上により、経常損失は8,500万円(前期は4億4,600万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1億2,600万円(前期は7億5,400万円)となる見通しです。
金型事業では製品領域の拡大と顧客開拓を一層推進し、売上増加を目指します。精密部品事業では、現在引き合いをいただいている次期新規製品の立ち上げに注力しながら生産効率の向上を図り、業績回復を図ります。フィルタ事業では、タイ子会社の吸収合併効果を発揮し、ASEAN市場での競争力強化につなげてまいります。
中期経営戦略「CHANGE~ニチノベーション2026~」の最終年度に向けた取り組みを進める中で迎えた当期は、先述の通り、外部環境の悪化により大変厳しい業績結果となりました。この結果を厳粛に受け止める一方で、将来の反転攻勢に向けた「収益改善・技術革新・グローバル展開」の三軸に沿った構造改革には、一定の道筋をつけることができたと考えております。
収益体質の強化においては、生産効率化や固定費の抑制を推進し、利益が出やすい体質への転換を進めてまいりました。金型事業では精密鍛造用金型における高精度化・長寿命化を追求するとともに、設計段階からの技術提案力強化により量産立ち上げの安定化とトータルコスト低減に貢献し、精密部品事業では鍛造から加工までの一貫対応力を活かした品質安定と変動対応力の強化を進めました。フィルタ事業では用途に応じた製品設計と品質管理の高度化により、継続的な採用につながる安定供給体制を確立しています。
技術革新においては、トヨタ自動車との協力合意のもと推進している「鍛造DX(センシング)」が、実用化に向けた具体的な技術検証段階へと進展しました。鍛造プロセスのデジタル化による品質安定化・生産性向上を目的に開発を続けており、標準化と横展開を通じて、競争力の源泉となる技術基盤の確立を目指しています。また、新事業開発では、センシング技術・バッテリー関連をはじめ、複数のテーマで事業化の検討が具体化しつつあります。現時点での収益貢献は限定的ですが、中長期的な成長ドライバーとしての基盤が着実に育ちつつあります。
グローバル展開においては、インド市場でサンセラ社との合弁会社を設立し、鍛造事業を主軸とした本格的な市場参入体制を構築しました。タイでは子会社の合併による拠点競争力の強化を元に、新規顧客の獲得を着実に積み上げています。また、タイに限らず、近隣諸国への積極的な営業活動を展開しており、ASEAN全体での供給体制強化が着実に進んでいます。
次期2026年度、当社は会社設立60周年という大きな節目を迎えます。1967年の創業以来、お客様をはじめとする多くのステークホルダーの皆さまに支えられながら、技術と信頼を積み重ねてまいりました。改めて深く感謝申し上げます。
また、次期は現行の中期経営戦略の最終年度にあたります。この数年間、「事業部門の再編」と「海外子会社の再編」など、将来の成長に向けた基盤整備を進めてまいりました。60年にわたり培ってきた技術力とお客様との信頼を、次の時代の成長と収益力向上へつなげることが、今後の重要な経営課題であると考えております。 収益力の強化に向けては、価格戦略の見直しを重要施策として推進しています。原材料価格やエネルギーコストの上昇が続く中、お客様のご理解をいただきながら適正価格への移行を進めるとともに、設計段階からの技術提案や高精度な品質保証など、当社グループならではの付加価値を高め、受注の質の向上に取り組んでまいります。
その実現を支えるのは人財です。現場との対話を重ね、一人ひとりが主体的に挑戦し成長できる環境づくりを進めることで、自律的に課題へ向き合い、新たな価値を創出する企業文化の醸成を図ってまいります。
さらに、持続可能なものづくりの推進も重要な責務です。ISO14001認証取得を機に環境マネジメント体制を一層強化し、グループ全体でGHG排出量削減や省エネルギー活動を推進してまいります。社会課題の解決と企業価値の向上を両立し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
60周年は通過点ではなく、新たな成長への出発点です。これまで培った技術と信頼を礎に、次の10年、その先の未来に向けて挑戦を続けてまいります。

当社グループは、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要政策と位置づけ、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続を基本方針としています。当期は厳しい業績となりましたことを踏まえ、誠に遺憾ながら期末配当を1株当たり2円とし、中間配当2円と合わせた年間配当は4円となりました。次期2027年3月期につきましては、業績回復に向けた施策を全社で着実に推進し、年間配当6円(中間2円・期末4円)を予定しております。中長期的には、収益力の向上に応じた配当水準の引き上げを目指しており、企業価値の向上を通じた株主還元の強化に努めてまいります。引き続き、株主の皆さまの一層のご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

売上高は、国内外の顧客における在庫調整の継続により、44億6千7百万円(前年同期比8.1%減)となりました。減収に加え、材料コストの増加が利益を圧迫し、経常損失は2億9千2百万円(前年同期は1億3千3百万円の経常利益)となりました。
引き続き厳しい環境下ではありますが、高付加価値製品の受注拡大に注力するとともに、製品領域を広げた顧客開拓を推進し、売上高の増加と収益改善を見込んでおります。

※ 百万円未満は切り捨て
売上高は、主要顧客の国内需要が減少し、一部海外向けで回復の動きが見られたものの補いきれず、42億4千4百万円(前年同期比2.8%減)となりました。また、減収による粗利減少により、経常損失は2億2千万円となりました。
今期は減収を見込みますが、現在引き合いをいただいている次期新規製品の立ち上げに注力しつつ、生産効率向上に取り組み、業績回復を見込んでおります。

※ 百万円未満は切り捨て
売上高は、国内特需の反動減に加え、タイ子会社再編に伴う海外向けの一時的な需要減が重なり、22億8千万円(前年同期比4.1%減)となりました。再編に伴う一時費用等も影響し、経常利益は6千6百万円(前年同期比61.2%減)となりました。
タイ子会社の吸収合併効果を最大限に活かし、ASEAN地域への競争力強化と事業効率の向上を推進することで、売上高の増加と収益改善を見込んでおります。

※ 百万円未満は切り捨て